2009年2月23日月曜日

自分のためのデザイン

近頃アパレルのショップインテリアを幾つかデザインしています。今まで建物をつくることが割合として多かったせいか、「インテリアはやらないんですよね」とよく言われます。僕としてはむしろ積極的にやりたいと思っているので、その都度そんなことはないですよ、インテリアにもとても興味がありますよ、とゆるい営業をしてみるのですが、「でもやっぱり山口さんは建築ですよね!」と言葉が結ばれます・・・(笑)。建築家と話をしているのだから、そうに違いないということなんでしょうか。

今、他にはジュエリーデザインもしています。メンズジュエリーです。世間にあるメンズジュエリーはハーレーダビッドソン系(=クロムハーツですね)とたいがい相場が決まってますね(笑)。そのせいか自分が買って身につけたいと思うものは見つけにくいです。
必ずしもメンズという訳ではないですが、TiffanyのFrank O. Gehryによるフィッシュのブレスレットは持っていて、時々つけてます。(今はネックレスだけみたいです。)買ったわけではなくて、Frank O. Gehryシリーズの発売記念で開かれた盛大なローンチパーティのお土産に頂いたものですけど(笑)。

それはともかく、ハタ!と気付きました。メンズジュエリーのデザインをしているときは、自分が身につけたいと思うものをデザインしています。そのことについて、自分で本当に驚きました。今までデザインしてきたのは誰かが使うためで、自分が使うためではないからです。しかもジュエリーは「使う」というような一般的な意味での機能がありません。着けなくても機能的には困らないものです。付加価値だけで存在しています。
何を驚いているか分からない方が普通だと思いますが(笑)、自分のために自分が、付加価値だけを生み出すという、まるでアーティストのような完全に自立的な行為は本当に新鮮な体験です。